子守唄という処方箋 Stop ザ 虐待
こもりうたというしょほうせん すとっぷ ざ ぎゃくたい




子ども虐待防止と子守唄の流れる町づくり  東京大学名誉教授 小林 登

大学をでて、アメリカでインターンをはじめて間もない1954年の秋の
ある夜、白人の女性が10ヶ月足らずの赤ちゃんを抱いて救急室に現れ、
ベットから落ちたと訴えました。
私を指導するアメリカ人の小児科医に赤ちゃんの全身のレントゲンを撮り
なさいと指示され、言われた通りにしてみました。
すると、ベットから落ち、打ったという肩の骨が折れているのがわかった
のですが、それ以外に大腿骨も折れていて、しかもしれは既に治りかかっ
ている古いものでした。それは新しい骨折と古い骨折が共存する、説明の
つかない状態であったわけです。
あとで調べてみると、それは親による「子ども虐待」だったということが
わかりました。
戦勝国のアメリカは、戦後も豊かで秩序正しく、キリスト教の国で、宗教
的にもしっかりしている筈なのに、何故母親がわが子を虐待するのかと疑
問に思い、深刻に受けとめたものです。
その後何年か経ち、日本でも戦後の混乱から立ち直り、豊かになってきた1960年代後半から70年代はじめに、小児医療の現場に「子ども虐待」の症例が出始めました。
私の個人的な見解では、何か“豊かさ”というものが虐待と関係があるの
ではないかと思います。社会が豊かで便利になって、人のことを考えなく
ても生活が出来るようになって、人と人との関係が希薄になったから、親
が子どもを虐待してしまうと思うのです。
そこで、人間関係を立て直すために、失った地域の絆、親子の絆をどうし
たら取り戻すことが出来るかと考え、その一つの方法として、子守唄が有
ると思いました。
子守唄のやさしいメロディが、町のどこからでも、いつでも聞こえてくる
ような、「子守唄が流れる優しい町をつくろう」というのが、私たちの大
きな願いであります。


ジャンル 作品名
保健・性教育・健康 子守唄という処方箋 Stop ザ 虐待
巻数・セット数 機種/時間 制作年 対象
全1巻 DVD/24分 2009年 保育士・教師・妊産婦・学生・一般
上映 企画/制作
上映権付 製作・発行/NPO法人日本子守唄協会
定価(本体価格) ライブラリー価格(本体価格)
全1巻 18,000円+税 全1巻 36,000円+税
■個人に対する無償貸出・館内上映ができます。 ■個人に対する無償貸出・館内上映ができます。
■無料での、個人・団体貸出及び館内・館外  (学校外)上映ができます。
適要

監 修/小林 登・中川志郎・赤枝恒雄・湯川れい子

※DVD第二弾「Stop ザ 虐待」 公式ホームページはこちら




巻内容詳細


小林 登
 
東京大学名誉教授
 子どもの虹情報研修センター センター長
 国立小児病院名誉院長
 NPO法人日本子守唄協会会長

 豊かな社会の裏返しにある虐待。人の命を慈しむ心を見失いがちな現代において、子守唄が持っている「優しさ」を引き出すパワーこそ、今もっとも大切な要素 ではないでしょうか。私自身は、優しさを司る脳に大きく影響を与えている子守唄のメロディやピッチを日常生活の中に作っていくことが、虐待防止の礎になる と信じています。



中川志郎
 
財団法人日本動物愛護協会理事長
 NPO法人日本子守唄協会副会長

 動物の世界ではなじまないDVや虐待。人間は600万年もチンパンジー的生活を送ってきた。文化や文字を持つようになったのは、ほんの一万年前。この間に どうして人間は、生物としての生き方を忘れてしまったのだろう。今一度、家族というものを見直すためにも動物園に来て、動物の親子を見て欲しい。


赤枝恒雄
 
社団法人港区医師会 会長
 NPO法人日本子守唄協会理事

 とにかく今の親は、子どもと遊んでいない。親子はどのような時代にあっても、常に親がアタッチメント(愛着体験)をしながら共に成長してゆくことが、ゆがんだ現代の親子関係には必要なことだと思う。親が子どもと一緒にいる安心感ほど子どもの心を豊かにするものはないことは、僕自身10年間にわたって開いている「まちかど相談」の子ども達と接して得た結論です。



湯川れい子
 
音楽評論家
 作詞家
 日本音楽療法学会理事
 NPO法人日本子守唄協会副会長

 近所で、息をするための穴も開けずに段ボールに詰められ、ガムテープで閉められて捨てられている猫を見つけました。その猫が、小さな命が、どうなってしまうか、という想像力のない、痛みの分からない人がとても増えていると思います。とても怖いことです。自分ならどうなってしまうだろうかという想像力のない「感性の切り離し」がDVや虐待を引き起こす原因になっていると思います。今こそ、人間としての感性を育てる知恵と想像力が大事な時なのです。